桜なべ中江

桜肉の歴史を伝え続ける老舗店、桜なべ中江

明治38年創業以来、現在に至るまで、桜肉料理を提供し、桜肉の美味しさを世に伝え続けてきた、古き良き老舗店舗として知られているのが、桜なべ中江です。
文明開化まっただ中にオープンしたこちらの桜なべ中江は、当時吉原で大流行をしていた、吉原名物、桜鍋を提供する、非常に貴重なお店の1つとして、現在に至るまで、多くの方に愛されています。

東京都の郷土料理としての価値も高く、吉原時代から現存する最後の桜鍋料理店として、こだわりの本物の桜肉を食べることができるでしょう。
桜鍋はもちろんのこと、馬刺しやにぎり寿司、巻きロースなどの貴重な部位に至るまで、桜肉のプロフェッショナルによる、本場桜肉を堪能することができます。

かの有名な芸術家、岡本太郎氏も訪れたとされており、馬肉のタルタルステーキをリクエストしたところ、そのメニューが評判に。
現在でも残るタロタロユッケが、その当時のメニューとして知られています。

アクセスは、東京メトロ日比谷線の三ノ輪駅から歩いて9分。
ランチは3千円台から食べられる事も有り、ランチ時間帯に混雑することも多いでしょう。

月曜日が定休日(祝日は営業)となりますので、訪れる際には注意が必要です。

国の有形文化財指定された、貴重なスポット

中江は、吉原時代から現存する非常に貴重な歴史的スポットとして、平成22年に、国の有形文化財に指定されました。
見た目はもちろんですが、店内の内装は当時の技術をそのまま残しており、宮大工の技術光るオリジナル欄干、“松桜竹梅”を始め、黒檀の美しい床柱など、非常に歴史を感じる芸術的作品を多く見られます。

戦火に巻き込まれること無く、無事に耐え抜いて現在に至った、歴史の趣を感じる貴重なスポットとして、多くの観光客が訪れる場所といえるでしょう。

元々は、文明開化グルメとして始まった、桜鍋ブーム。
遊郭近くにあるお店で有りながら、訪れるのは、遊郭で遊べないようなお金の乏しいお客さんが多かったとして、そのお店に自分の馬を売って、遊ぶお金を作ったとされています。

料理屋に巡った馬が馬肉となり、馬肉が大量に溢れたところから、試しに牛鍋を桜肉で作って見たところ、大ヒット。
価格が安いにもかかわらず、精が付いてとても美味しいとあって、馬力をつけるという意味合いでも食べられ始め、現在に至るとされています。

そもそもの始まりはなかなか欲深い物がありますが、きっかけよりも、現存する貴重な建物、美味しい桜肉を食べられる本格グルメ店舗というのが、重要なポイントです。
桜鍋はもちろん、桜肉料理を思う存分堪能したいという方に、おすすめの店舗と言えるでしょう。