薄暮の時間帯は要注意

薄暮とは

「薄暮」は、「うすぐれ」と読む人も多いようですが、「はくぼ」が正しい読み方です。
薄暮は黄昏とも呼ばれる時間帯で、日没後の、まだ日の光は少し残っているけれど、周囲が暗くなり始める状態を言います。
具体的には、沈んだ太陽が地平線から6°c程度まで下がる時間帯が薄暮です。

黄昏という言葉は「誰そ彼」から来ていることからもわかるように、暗くなってきていて人の姿が見分けにくくなっている状況ですから、この時間はバイクの走行には十分に注意しなければなりません。
警視庁では1日の交通死亡事故を時間別に表したグラフを公開していますが、このグラフで見ると17:00〜19:00にかけて事故がかなり多くなっていることが分かります。
ちようど薄暮にあたる時間帯で、日没の前後に起こる事故は「薄暮事故」とも呼ばれています。

薄暮の時間帯は目が暗さに慣れにくい

人間の目というのは、日没後、周囲の暗い環境に慣れるまでに20分から30分かかると言われています。
つまりこの時間帯は歩行者などを識別しにくく、ライダーにとっても対向車や歩行者にとっても危険な時間と言えるのです。
さらに薄暮の時間帯は帰宅時間とも重なるため、交通量も増えています。
このため、交通事故の起こる確率も高くなり、薄暮時間では昼間と比較して実に4倍もの交通事故が起こっています。
日が完全に落ちた夜間よりも、薄暮のほうが事故件数は多くなっていますので、この時間帯にバイクで走行しなければならない人は特に注意をしなければなりません。

都内に日帰りでツーリングに出かける際などは、帰り道がちょうど薄暮に差し掛かることが多いものです。
こうなると、ツーリングの疲れと相まって、帰途が危険になってしまう可能性があります。
ですから都内ツーリングによく出かけるライダーは、薄暮にかからないような時間帯でツーリングのスケジュールを組むのもいいでしょう。
秋になると急に日が短くなりますので、夏から秋にかけてのツーリングのスケジュールを組むときは日没の時間をよく把握しておくことが重要です。

薄暮で気をつけたいこと

薄暮の時間帯はちょうどバイクも車もライトを点灯する時間帯で、逆にライトをつけていない車などがあると、識別がしにくく非常に危険です。
ですから、自身もしっかりライトをつけて対向車や前方の車などに認識してもらうようにしましょう。

どうしてもこの時間帯にバイクで走行しなければならないのであれば、交通量の少ない道路を選ぶ、あまりスピードを出さずに周囲をよく見ながら運転するといった注意点を遵守することが非常に大切です。
また、自分のバイクが対向車などからよく見えるように、蛍光素材や再帰性反射材を使用したジャケットやパーカーを着用して走行するなどといった工夫も欠かせません。