吹割の滝

滝

吹割の滝は群馬県沼田市利根川に位置する、別名「東洋のナイアガラ」と呼ばれている日本を代表する名勝です。滝といえば山の高いところから流れ落ちるものを想像しますが、吹割の滝の落差は7mしかありません。吹割の滝は横に長い滝だからです。大地がさけ、ごうごうと水しぶきの流れ落ちるさまは、大迫力の一言です。ここでは、異世界に飛び込んだような感覚さえ感じる吹割の滝とその周辺の名勝を紹介します。

吹割の滝は国指定天然記念物・名勝

吹割の滝は、1936年に「吹割渓ならびに吹割瀑」として12月16日に国指定天然記念物、名勝指定されました。着目すべきは「凝灰岩(ぎょうかいがん)とその浸食地形ならびに渓谷美」です。吹割の滝は、溶結凝灰岩(ようけつぎょうかいがん)と呼ばれる岩石からできています。この岩石はおよそ900万年前の噴火に伴って流れてきたものが冷え固まったもので、その後長い年月をかけて浸食を繰り返し、現在の形となりました。このような形になったのは、およそ1万年前とされています。ここでは実際に900万年前にできた凝灰岩の上を実際に歩けます。

吹割の滝名前の由来

吹割という地名は地図にありません。この滝の名前は、特徴的な地形の見た目からきています。片品川の水勢が凝灰岩・花崗岩を侵食し、川底に無数の割れ目をつくりだした形が、いかにも巨岩を吹き割れたようにみえること、また三方から大量に流れ込む水が滝壺に跳ね返り、噴き上げる様子から名付けられたと考えられています。荒々しく、美しい地形と水しぶき、迫力のサウンドは心揺さぶられる絶景です。また、近年では、天然記念物としてだけでなく、パワースポットとしても人気を博しています。

吹割の滝と5つの名所

伽羅苑(きゃらえん)

伽羅苑の店内は吹割の滝の入り口となっています。道路を横断することなく地下通路から吹割の滝へアクセスできます。吹割の滝までは徒歩5分です。

千畳敷(せんじょうじき)

吹割の滝の上流にみられる畳千畳の広さを誇る浅い河床で、ゆるやかで、美しい流れが見られます。このような地形は浸食がすすみ、川の傾斜がゆるやかになると、河床(下面)よりも両岸を削る力が強く働くためにできる特徴的な地形です。

吹割の滝

千畳敷を過ぎると姿を現すのが吹割の滝です。ここでは、900万年前に火山の噴火によってできたとされる、巨岩の上を実際に歩けます。ただ、足場が悪いので滑りにくい靴を履いていきましょう。

はんにゃ岩

滝を背にして振り向くと現れるのが「はんにゃ岩」です。大きな般若が今にもすべてを飲み込んでしまいそうな風景は圧巻です。

鱒飛の滝

はんにゃ岩を抜けると、水の透明度が高い流れが続きます。そこに現れるのが「鱒飛の滝」です。産卵に帰ってきた鱒もここで止まってしまうほどの激流が名前の由来だそうです。